2013/06/17

金子國義

久しぶりに画家 金子國義先生にお会いした。
僕が大学生だった頃、MILKのデザイナー大川ひとみさんに紹介もらったのが、
最初の出会いだった。
時間が出来ると毎日の様に、アトリエに遊びに行った。
そこには、貴重な創刊からのハーパースバザーやフレンチヴォーグが並び、
アベドンのファッションストーリーや、ポップアート以前の無名時代のウォーホルの
イラストが並んでいた。
そんな西洋のクリエイティブに対し、日本の美についても色々教えて頂いた。
アトリエで流している音といえば、小津映画の台詞を録音したもの。台詞を流すことにより情景が頭に浮かび、クリエイティブに刺激を与えるそうだ。あと、レ・リタミツコもよく流れていた。
美人画についても色々教えて頂いた。
鏑木清方(かぶらぎきよかた)、鰭崎英朋(ひれざきえいほう)、小村雪岱(こむらせったい)3人とも大正から昭和初期の絵師で、泉鏡花の挿絵で有名。和の中に洋をバランスよく盛り込み、繊細な色使い描かれる状況の切り取りかたの面白さに心奪われた。
西洋と東洋、美とエロス、一見対極にある所を一つに混ぜ込む。
金子國義はその天才である。
20代の頃アトリエで感じとった「対極の美」その精神は今なお僕を影響し続けている。

*出会った日に撮影したポートレート。

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