2015/11/02

Showa92




新作の写真展を開催いたします。
タイトルは「Showa92」詳細は以下の通りです。
是非、お越し下さい。
:薄井一議 写真展|Showa92
:会期:2015年10月31日[土]~11月21日[土]
:opening party オープニングパーティー: 10月31日[土] 
                   18:00~20:00
:Zen Foto Gallery|禪フォトギャラリー
:106-0032 東京都港区六本木6-6-9ピラミテビル2F
:12:00~19:00
:日、月、祝 休
この度、Zen Foto Galleryでは10月31日[土]~11月21日[土]まで薄井一議写真展「Showa92」を開催致します。本作は、2011年に発表された「Showa88/昭和88年」の続編にあたります。また、同名写真集をZen Foto Galleryより刊行いたします。
東京オリンピックを目前にし、街はいたるところで浄化作戦が進められている。
この事が良いとか悪いとか言うことではない。
ただ白か黒か、正義か悪かでは決められない、グレーな文化、矛盾の文化もいよいよ無くなろうとしている現実がある。
崇高さといかがわしさが共存し、恐怖と滑稽が交錯し、生と死の匂いがする。
その表裏一体は、本来あるべき人間らしさのように感じてならない。
日本という国が完成してゆき、共存の隙を許さず、世の中に逃げ場込む場所(アジール)が希薄になった今、
それらの物を僕なりの方法論でしっかり記録して行きたい。 ——薄井一議
*アジール “侵すことの出来ない聖域”もしくは“逃げ込めば法律の力が及ばない保護区域”の事をいう。
作者にとっての“昭和”とは、けっしてノスタルジーではなくスーパーフラット化される現代社会と真逆にある、生き抜く力強さの象徴であると語っています。この作品群におさめられているのは、津軽の人形婚、日本最後の見世物小屋、元任侠の三線弾き、秘宝館、闘犬などの光景が次々に登場します。これらの現代日本からアウトサイドの位置に置かれている文化、そこにに漂う崇高さといかがわしさ、恐怖と滑稽、生と死、相反するイメージが写真というメディアを使い、現実と夢の間をぬって白昼夢のように写し出されています。
Zen Foto Gallery is pleased to host the photography exhibition 'Showa92' by Kazuyoshi Usui from 31 October to 21 November. This series is a sequel to 'Showa88' which was published in 2011. Along with the exhibition, photography book Showa92 is published by Zen Foto Gallery.
Atopic dermatitis is an iconic modern disease. I myself am a man living in this modern era, coping with the allergic reactions of this disease, which occurs when my immune system overreacts to an unknown substance.
Looking out to the Tokyo Olympics to be held in 2020, sanitization is under way throughout this city. I would not simply judge it as good or bad. I rather see this phenomenon as our reality, that the culture which enfolds greyness, where discordance lies, is disappearing, replaced by one that is only tolerant of things that fall into a category — white or black, good or evil. But I believe that this culture of greyness represents the very charm of humanity.
As it has developed, today’s Japan has no room for difference and otherness to coexist, and places for escape are disappearing. I endeavour to record such places of “asylum”* in my own way. ----- Kazuyoshi Usui
*Asylum: sanctuary that cannot be breached, or a place of security protected from intervention by any legal force.


2015/07/21

京都にて伊藤佳司さんと久々に再会

京都にて伊藤佳司さんと久々に再会。愛知万博のポスターを伊藤さん、宮川一郎さん、博報堂周藤さん、僕で制作したのが、ちょうど10年前の2005年。
僕が万博スタッフ300人を配置し撮影したプリントを目の前でハサミで切り刻み、コラージュを始めた事に涙した想ひ出が、、いや、感動した想ひ出が、、とにかく楽しい時間だったのです。で、今回の再会は京都にてシルクスクリーンのテスト中、工房におじゃましました。
ブッ飛んでいてヤバいクリエイティブ!!最高にカッコいい!これまた最高に楽しい時間でした。大好きです!!最後の写真は2005年の愛知万博のポスター。






2015/07/03

渋谷ユーロスペース 7月24日までロングラン上映が決定しました。

映画「ダライラマ14世」ロングラン上映が決定しました
渋谷ユーロスペースにて7月24日まで上映が延長いたしました。
多くの皆様に劇場へ足を運んで頂いたお陰です
本当にありがとうございます。
尚、以前との上映タイムスケジュールが変わります。
渋谷ユーロスペースのホームページにて上映時刻をご確認の上お越し下さい。
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=649

横浜シネマリンでは7月11日から公開されます。





2015/06/27

朝日新聞

本日の朝日新聞(2015/06/27)「ひと」のコーナーにて紹介されています。
映画「ダライラマ14世」撮影の経緯などを語っています。
是非ご覧下さい。



日本カメラ 7月号

2015年10月に新作を発表いたします。
「Showa88 / Sanctuary」という作品です。
一足お先に6月20日発売の「日本カメラ」7月号に巻頭で掲載されています。
是非ご覧下さい。



渋谷ユーロスペースでの上映が7月10日まで!

いよいよ、映画「ダライラマ14世」渋谷ユーロスペースでの上映が7月10日までとなりました。
是非、劇場にてお待ちしております。
引き続き7月11日より横浜シネマリンにて公開いたします。

写真は2010年、北インドのラダックの猊下宮殿にてインタビュー中の筆者。




2015/05/29

いよいよ5月30日公開


ダライ・ラマ14世をムービーカメラで、6年間密着撮影をして来ました。
その映像はこれまでの神秘の中のダライ・ラマではなく、一人の人間であるダライ・ラマが写しだされています。
その膨大なフッテージをブエノスフィルムプロデューサー吉田裕、構成に光石氏を迎え、この度一本の映画にまとめました。
ドキュメンタリー「ダライラマ14世」5月30日より渋谷ユーロスペースにて公開されます
30日初回11:00の回終了後舞台挨拶を行います。是非お越し下さい。




2015/05/09

「ダライラマ14世」公開

 映画を製作いたしました。
「ダライラマ14世」というドキュメンタリー作品、私にとっての初の映像作品です。

2007年から6年の間、写真家である父 薄井大還と私は、ダライラマ14世の

密着撮影のチャンスを得ました。
父はスチールカメラを、私はムービーカメラを持っての密着撮影でした。
そこに記録された大量の映像フッテージには、これまで神秘に包まれたダライラマ14世ではなく
”人間ダライラマ” の姿がありました。

そのフッテージを元にブエノスフィルム 吉田裕 / 岡松真行 両プロデューサー、構成に

光石富士朗 を迎えこの度、完成しました。

5月30日より渋谷ユーロスペース を皮切りに順次全国公開されます。


この映画はチベット問題に焦点をあてたものではありません。

”人間ダライラマ”その姿、そして 苦難の中彼が何を守りぬこうとしているのか。

物質的には満たされているが、精神的にはどこか満たされていない現代日本

そして、戦後守り抜いて来た平和精神が揺らごうとしている現代日本。

今だからこそ見て頂きたい作品です。

是非、ご覧下さい。









2015/04/09

「The 8th Gelatin Silver Session 2015 – Save The Film」 

2015年04月25日(土)-2015年05月09日(土)



展覧会のお知らせ。
六本木 アクシスギャラリーにて行われる、
「ゼラチンシルバーセッション」に参加いたします。
今回のテーマは「撮り下ろし競作」
参加写真家が二人一組となり、それぞれが決めたテーマで作品を撮り下ろします。

石塚元太良 × 水越武「雪、氷」
市橋織江 × 瀧本幹也「gradation」
井津由美子 × 辻佐織「原風景」
薄井一議 × 勝倉崚太「写真 過ぎ行くものへの記録装置」
Bruce Osborn × 蓮井幹生「Sea-genic & Forest-genic」
小林紀晴 × 村越としや「見知らぬ故郷」
小林伸一郎 × 中道淳「311 変わっていくこと、変わらずにいること」
嶋田篤人 × 三好耕三「BOSO」
鋤田正義 × 宮原夢画「ごっこ」
瀬尾浩司 × 泊昭雄「きえるモノと、きえないモノ」
百々新 × 広川智基「忘れたくないこと。」
百々俊二 × 広川泰士「天地」
中野正貴 × 本城直季「お台場」
中藤毅彦 × ハービー・山口「FLIP IT OVER」
西野壮平 × 若木信吾「On Sunday」
平間至 × 森本美絵「LOVE×LOVE」
藤井保 × 渡邉博史「平和憲法第9条」
特別ゲスト展示:マイケル・ケンナ

「The 8th Gelatin Silver Session 2015 – Save The Film」
日時2015年04月25日(土)-2015年05月09日(土)
11:00 〜 19:00
※4月29日(水・祝)は15:00から公開審査がありますが、どなたでもご入場できます
※5月5日(火・祝)はトークイベントのため、16時まで
※最終日は18:00まで
会場
AXIS Gallery
東京都港区六本木5-17-1
入場料
300円 ※学生無料
是非お越し下さい。




2015/03/18

French magazine "THE GOOD LIFE"

 it.



金子国義

金子國義が亡くなった。
僕にとってモノ創りのベースを教えてくれたのは金子先生だったと言っても過言ではないと思う。社会人の1年目にMILKの大川ひとみさんに紹介してもらったのがきっかけだった。
毎週、大森の自宅兼アトリエに緊張しながらも遊びにいった。「アナタ、顔がきたないんだから、美しいものをちゃんと知っときなさい。」とオネエ的攻撃を加えられながらも、色々な絵画、音楽、写真について教えてもらった。
先生の家には「VOGUE」「Harper's BAZAAR」の増刊号から80年代までのものがすべて揃っていて、アートディレクター視点での写真の見方などを語ってくれた。特にアレクセイ•ブロードビッチとリチャード アベドンが組んだファッションストーリーが特にお気に入りで、アベドンの写真集でよく見慣れていた写真が実際の雑誌では全く印象の違う形でのストーリーになっていたり、ロバートフランクが若いころ「Harper's BAZAAR」のために撮っていた物どりの写真、アンディーウォーホルがコマーシャルイラストレーターだった頃のイラストがあったりと、本当に僕にとって宝の山であり教科書だった。
先生はドラキュラかと思うほどの夜型人間で、ご自宅に伺うのは決まって夜中だった。家では、BGMにフランスのミュージシャン、レ•リタ ミツコのCDか、小津安二郎の映画の音声のみがながれていた。小津映画の台詞は夜が静かにゆったりと流れ、心地の良い空間になって、先生の作業もはかどる様だった。小津、川島雄三をこよなく愛し、ビスコンティー、ジャンコクトーの素晴らしさ、日本映画における撮影監督、宮川一夫の偉大さを教えてくれた。
そして僕にとって大きかったのが、鏑木清方、小村雪岱(こむら せったい)、鰭崎英朋(ひれざき えいほう)などが描いた泉鏡花の挿絵の世界を教えてくれた事。日本人として西洋文化をどう消化してアウトプットするか。日本人として生まれた以上、そのアイデンティティーをモノを生み出す人間は忘れてはいけない、そこを長い期間掛けて教えられてきたように思う。
そして相反するものをどう一つの作品に入れ込むか、”残酷と滑稽” ”神聖なものと俗物なもの” ”西洋と東洋”など「対極の美」をどう作り上げるのかを教えてくれた様に思う。
そして、息子の修さんに出会えた事にも感謝したい。彼は僕の作品の多くに被写体として立ってくれた。先生の留守中、家でけっこう大掛かりに撮影したり、こっそり先生のベンツを持ち出し撮影しにいったり、当時はバレないようにヒヤヒヤしていたけど、今となっては先生全部知っていたのだと思う。本当に色々な想いでがフラッシュバックする。
本当に金子國義に出会えて幸せだった。